柴田麻佑さん
自分自身の決断を信じ「前に進む力」を得て、目指す薬剤師像に近づく
コーチングを受けようと思ったきっかけ
「自分自身で選ぶ、新しい生き方」を模索し、転職を決意
私は薬剤師で、総合病院の薬剤部で働いています。
もともと職場で「独身女性」という肩身の狭さを感じていたところ、ある時、失恋をきっかけとして自己肯定感がどん底まで下がってしまいました。さらに当時は仕事内容にも限界を感じていたため、働き続けるのがだんだん辛くなっていきました。
この仕事は親から勧められて就いたもので、以前から「仕事、やりたい事、生き方を自分自身で選びたい」と考えていました。また、大学時代からずっと医療の世界で生きてきたため、別の世界を見てみたいとも思っていました。
そのような背景があり、ある時「思い切って転職しよう!」と思い立ちました。しかし、いざ転職しようにもその方法がわからず右往左往していたところ、以前受講したセミナーを主催されていたまえさんの存在を思い出し、「転職支援」と、自己肯定感アップのための「コーチング」をお願いしようと連絡を取りました。
具体的なコーチングの内容
客観的な「強み」「弱み」の発掘で、自分を知る
まず「転職支援」についてですが、まえさんは以前人材派遣会社で営業やコーディネーターをされていた事もあり、転職サイトの登録方法から、志望先の見つけ方、志望動機の作成方法など、基礎の基礎から教えてもらいました。特に志望動機については、何度もアドバイスと添削を繰り返して頂き、文章力がかなり鍛えられました。
また、私の「強み」と「弱み」を客観的な目で見つけて頂きました。正直、耳が痛い事もありましたが、自分自身を知る大きなきっかけとなりました。 セッションから1年以上経過した今でも、この「強み」「弱み」はものすごく心に来るものがあります。時には自信をもらったり、納得したり、「あぁ、やってしまっている」と頭を抱える事も…(笑)
精神的に辛い時期には、思いの丈をまえさんへの長文メールに託していました。読んでいただくだけでも大変だったと思いますが、密にやりとりしてくださり、常に支えてもらいました。まえさんの存在が大きな力となり、辛い時期も乗り越える事ができました。 セッションの中でも、無理にコーチングを進めず、じっくり「承認」してくれたり、明るい励ましによって、メンタルを前向きに引き上げてくださいました。
コーチングを受けた後の変化
自分自身と向き合い、様々な「気づき」を経て、「前に進む力」を得る
もともと「転職支援」をお願いしていましたが、その活動中に突然「転職したい」という気持ちが無くなり、現在の職場にとどまる決断をしました。
その際「なぜ転職したかったのか」「転職してどうなりたかったのか」など、改めて自分自身と向き合ったところ、「自分に価値がない」と思ってしまっていた環境を変えたかったのだという事に気づきました。具体的には、職場にはスタッフ同士のコミュニケーション不足という背景があり、そんな中でうまく立ち回れない自分に嫌気がさしていました。しかし、コーチングの講座に通い、より良いコミュニケーションの技法を学んだ事で自分自身が楽になった経験から、自分と同じようにその環境で働きづらさを感じている人が居るなら、「力になりたい」と考えるようになりました。
初転職を決めた頃は、難しい業務を一人で抱え込み孤独を感じていました。併せて、上司から「効率だけを考えろ」と言われ、薬剤師という仕事に価値を見出せなくなっていました。 そんな中、転職希望先の志望動機で「転職先に対して、どう貢献できるか」と考えていたところ、現在の職場に対して「貢献できるか」というふうに考えた事があったか、これまで自分は仕事に対して受け身の姿勢だったのではないか、と感じるようになりました。そこで、「本当は、薬剤師の仕事を諦めたい訳ではなかった」と気づいたのです。
3ヶ月間のコーチングを終えた時、まだメンタルは元どおりにはなっていませんでしたが、「現在の職場にとどまる」という自分自身の決断を信じて頑張ろうという、「前に進む力」はついていたように思います。その思いを持ちながら仕事と真摯に向き合い、ぶつかりながらも同僚とコミュニケーションを取ったり、新しい事にチャレンジする中で、周囲のスタッフとの信頼関係も築けるようになりました。気がつくと、目指していた「薬剤師像」に近づいていました。
今後の展望・目指していること
一人一人の「人生」や「物語」を大切にする、「優しい医療」の提供を
患者・医療者・スタッフ、様々な立場の人がいる職場だからこそ、今後はよりコミュニケーションを大切に、一人一人の「人生」や「物語」を大切にする「優しい医療」を提供していきたいと思っています。ただ薬を調剤するだけの役割ではなく、医療の最前線に当たり前に存在する「薬の専門職」としての薬剤師がいる未来を目指します。
そのためには、一人一人のレベルアップのための努力が必要不可欠です。職場内での目的意識の共有やコミュニケーションスキルの伝達、相互教育など、私が学んできたコーチング等の技術を活かし、これからも仲間と共に前に進んでいきたいと思っています。